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Inocybe leptoclada Takahito Kobayashi & Courtecuisse

和名 (Japanese name): モモエノトマヤタケ (momoeno-tomayatake) 
Sebgenus Inocybe (クロニセトマヤタケ亜属), Section Marginatae (マルギナータ節)

和名の通り、柄のピンク色が綺麗なアセタケ・・・でも臭い。柄表面は、全面粉状(=柄シスチジアが基部まである)で、縦のスジが入り、傘は最初平滑だが、のち周辺がささくれてくる。検鏡しても、シスチジアがとても厚膜であることや、胞子が多角形に近いコブ状であることなど、特徴が比較的はっきりしている。
2000年に新種発表されたため、まだ市販の日本語の図鑑には未掲載。採集地はいずれも砂地なので、砂地が好きなのかも?

肉眼的特徴:

:10-30mm, 最初平滑だが、のち赤褐色の細かなささくれ鱗片、中丘に開く。

ヒダ:離生−上生、クリーム色、のち赤みのあるオレンジ色〜薄茶色、縁部はギザギザ。

:2.5-5cm x 2-4mm(19-30x1.2-2mm Kob.) 同大、基部は同大か、やや膨らむ。初め淡桃色、のち淡黄色〜淡オレンジ色。表面には縦の繊維紋があり、全体が白い粉を吹いたような粉状。コルチナはない。中実。

その他: 強いアセタケ臭がある。 他の写真はGalleryをご覧下さい。

顕微鏡的特徴:

Spores(胞子):ごつごつと小さなコブのある多角形 (6.3-9.3 x 4.2-6.7μm ※1)

Pleurocystidia(側シスチジア):多数,先が細まった円筒形をなし,無色で著しく厚膜,頂端は丸みを帯びるとともに結晶あり。 (40-69×11-17μm※1)。

Cheilocyctidia(縁シスチジア): 側シスチジアと同様にかなり厚膜で、非常に多い。(37−57 x 12−14um ※1)


Caulocystidia(柄シスチジア): 柄の全面に分布し厚膜のメチュロイド。これが柄の表面が粉状に見える正体。薄膜のパラシスチジアが混じる。

採集地
 2006/6/29 慶野松原 (南あわじ市)
 2007/7/15 再度公園(神戸市北区)

原記載: Mycoscience 41: 163-166, 2000

References
1. The taxonomic studies of the genus Inocybe (T. Kobayashi) No.109

Other Descriptions and Photos:
 1. 気分はき・の・こ
 2. Kinoko Labo

※1: 原記載より
Latest update: 2008/11/11