和名: コブアセタケ
Subgenus Inocybe (クロニセトマヤタケ亜属)、 Section Inocybe (クロニセトマヤタケ節)
nodulosospora: 尖った胞子の意味
もっとも普通に見られる小型のアセタケの一つ。
傘は、ささくれ鱗片があり、特に中央は逆立つ、色がやや紫がかる褐色で、縁に白色菌糸のフリンジが付く。また、柄は傘と同色でややプラスチック様の透明感があり、上部のみ粉状で、それ以下には白色菌糸が付き、特に基部が白く覆われるなどの肉眼的特徴から、ほぼ同定が可能と思われる。
胞子は、学名の通り顕著なコブ状。
傘: 15mm以下と小型。始め饅頭形、のち中高に開く。表面暗褐色、繊維状のささくれ状の小鱗片を有す、成熟につれ放射状に細裂し、淡色の地肌を表し、中央逆毛状、縁部が白色菌糸, 肉は白色。
ヒダ:直生〜上生
柄:20-26 x 1.2-1.4mm、中実、 基部同太か、やや膨大。頂部〜中ほどまで粉状、下部は白色菌糸をまとい、特に基部は白色菌糸に覆われる。
Spore: 7.7-10.5 x 6.1-8.3 μm(*1)、著しいコブ状。
Basidia: 4胞子性
Pleurocystidia (側シスチジア): メチュロイド 51-83 x 11.6-18.8 um (*1)
Cheilocystidia(縁シスチジア): 同様にメチュロイド。小型で薄膜の嚢状シスチジア(paracystidia)が多数見える
Caulocystidia(柄シスチジア): やはりメチュロイド。頂部より真ん中辺りまで徐々に減る。
参考文献:
1. The taxonomic studies of the genus Inocybe (T. Kobayashi) No.85
2. 新菌類図鑑 No.385
3. 北陸のきのこ No.523
*1 :参考文献1より引用