本種は、本郷次雄博士により1965年に大津市内のアカマツ-スギ林内で発見され、1966年に Mem. Shiga Univ. Vol. 16 (p.55)にて新種発表された。外見的には「傘の中央が黒褐色、淡い色のスレンダーでやや基部が膨らむ柄を特徴として持つ」と記載されている。
本サンプルは、2010年5月9日、京都の清水山にて行われた幼菌の会の観察会にて、京大の北出雄生氏によって発見されたものです。名部さん経由でサンプルを受け取り調べてみたところナカグロトマヤタケと仮同定できたため、小林孝人先生に送って確認していただきました。本郷氏の報告以後の本種の採取報告は見あたらないため、45年ぶりの発見報告となるようだ。
原記載より
Pileus: 1-3cm
Stipe: 2.5-7 cm long, 3-5mm radius
Spores: 7-8 x 4.5-5 μm
Pleurocystidia: 50-70 x 15-20 μm
清水山の標本より(暫定データ)
Spores: 7.2-8.7 x 4.8-5.2 μm
Pl: 50-60 x 13-17 μm
References:
- 本郷次雄教授論文選集 p.22
- The taxonomic studies of the genus Inocybe No.65