神戸市北区山田町原野にて、2014.8.31に採取.したサンプルについて記述。
肉眼的特徴:
傘: 28mm以下、平滑、明るい褐色で縁部や頂部が淡色。縁部は条腺状。
柄: 最大(35 x 3 mm)、太さややクリームががった白色。柄の全表面が微粉状。基部は顕著なかぶら状に膨らむ。
肉: 白色、臭いは弱い。
顕微鏡的特徴:
胞子: やや長形のこぶ状で、多数のこぶを有する。
縁シスチジア: メチュロイドで厚膜、便腹形。薄膜棍棒状のパラシスチジアが混じる。
側シスチジア: メチュロイドで便腹形。
柄シスチジア: 基部までメチュロイド。パラシスチジアと密生する。
考察: 当初Inocybe fibrosoides sp. と仮同定した種が今年も同地点に発生したので改めて調べてみた。
Pl. Ch. 共にメチュロイドでこぶ状胞子を持つのでInocybe亜属。 さらに柄のメチュロイドが基部まであり、基部が膨大などの特徴からMarginatae節となる。
本種のマクロな特徴は、シロニセトマヤタケにも似た、固く締まった真っ白な柄を持つ事と、傘は淡い肉色で、頂部が白っぽくなることなどである。
ミクロの特徴としては、こぶ胞子の形に特徴があるように思う。
Inocybe grammata とは、胞子の形が異なる。I. fibrosoidesは子実体がもっと大きくなるようでどうも違っている。I. mixtilis var aurataも似ているが、ヒダの色が白色ではない点が、違うように思う。
採集地: 神戸市北区山田町原野